こんにちは。センケイです。
前回の記事ではシレッと飛ばしましたが、うまくゲームとして出来るようになるまでにはそれなりに煩雑な手順があったために、備忘録として情報を整理しておきたいと思います。
割と色々なサイトから情報を集める必要がありましたし、それに、本当にうまくいくのか?というのは、分かっていても最後まで不安が残りましたので。
(なにしろゲーセンのゲームとほぼ同じことができるっていうのは、高校生の頃の自分の気持ちなんかを思い返してみればそれこそ夢のまた夢で、そんなことが本当に出来るのか?絶対トラブルでできなくなるんじゃないか?と最後まで不安がありましたから…笑。)
電子ドラムを買う
まず電ドラを買います。
モデルについては、GITADORA をする上ではどうするのが便利か、じゃっかん吟味の余地ありです。
それを以下に書いていきます。
まずはスネアやタムといったタイコ系。
これは、メッシュのほうが打撃音が消音できて良い、と言われています。階下と同じくらい隣の部屋への音が気になる場合は、メッシュで打撃音を抑えるのが無難そうです。
次に、レフトペダルにどのように対応するか。これは意外と複雑な問題になります。
まず、ハイハット用のペダルだけで、連打して音を出せるほどの感度があるか。そのようなモデルであれば、解決です。
あるいは、モデルの本体部分が、2つのキックの信号を区別して受け取れるモデル。それでも解決できます。
以上の2つは仮定の話で、実在は確認していません。店員さんに聞いてみるのが良い気がします。
信号の区別については、メーカーが出しているパッド対応表 (Roland の場合だとこんな感じ) も参考になるでしょう。
そうでない場合は、①ライドシンバルや AUX (オグジリアリー、予備のことだそうです) など、本体のクチが余るモデルを選び、かつ、②キックトリガー用のペダルを2つ用意する。
という対応が必要になりそうです。
後で分かったことですが、自分の買ったモデルは、ハイハットペダルで音を連打させるのが難しく、とうていこれをレフトペダルとして使えそうになかったため、(かつ、本体が2つのキックを区別する仕様ではなかったため*1、) ②の対応が必要になりました。
幸い、①に相当するもの、つまりライドシンバル*2や AUX の入力があるものを買っていたので、その点は助かりました。
長くなりましたが、以上がレフトペダルの話題でした。
続いて、右足用のバスペダルです。
これはリアルさと静かさのトレードオフになります。
もし本物のドラムを見越した練習をするなら、あまり乱暴にやらないという前提のもと、キックパッドとビーターを用意したいところです。
自分の場合は、まず最初にキックパッドとビーターを買いました。
キックのダブルがずっと苦手でおぼつかなかったので、安定させようとずっと悩んできたんですよね。なので、本当は静かさを最優先させたかったのだけど、ここは練習になることを優先しました。
実際、ビーターで打つのは感触がとても心地よいです。一応、タオルを巻いて静かさを高めています。
なお、上の②の対応が必要な場合は、キックパッドと消音ペダルをそれぞれ1つずつ持つのも面白いでしょう。気分や時間帯によって使い分けられますからね。
(ただ、レフトペダル用の追加ペダルとして消音を最優先した「KT-9」を買ってみたところ、あんまり打感は良くなく、練習になるのか少し心配になったところです*3。競合する KT-10 は打感が良いと評判ですが、振動はともかく打撃音はビーターで叩く KD-10 よりも大きいとの声もあります。それだったら、本物感を追求するなら、もう1個 KD-10 とビーターとを買ってしまうのも良いのかもしれません。)
さて、電子ドラム本体についてはそんなところでしょうか。
本体以外に必要な備品は追ってまとめます。
ひとまず本体を置いて、こんな感じになりました。
これではまだ不十分だったのですが、以下で説明します。
ふにゃふにゃシステムをこしらえる
さて、自分が理解する限り、電子ドラムを買う場合「ディスクふにゃふにゃシステム」は必須です。セットで考えましょう。
業者向けと思しき、「静床ライト」なる 1cm も厚みのある防振設備を買って、慢心していました。
それでもなお、階下や隣ばかりか、斜め下のかたのところまで届いてしまったのです。
せっかく買って喜んでいるところに、連絡が入ってくるという事態が起こると、かなり気持ちがすり減ります。周りがやさしいかたばかりだったとしても、そんなやさしいかたに迷惑を掛けてしまったのか、と思うとなおさらしんどいです。
なので様子見をせずに、最初からディスクふにゃふにゃシステムを用意しましょう。
材料さえ揃えば、作るのは簡単で1時間くらいの作業です。
さらにありがたいことに、器用さや技術、仕上がりの出来を心配する必要は一切ありません。パッと見は DIY っぽいですが、既製品を使うので、下手をこくという可能性がほぼ無いのです。
材料集めだけやや大変ですが、バランスディスクやジョイントコルクマットについてはネットで買えば良いので、手間としてはほとんどありません。
問題になるとすれば、ベニヤ板です。
いくつかのサイトを参照させていただいて吟味した結果、ホームセンターで厚さ 12mm、大きさ1,820 x 910 のものを買い、1,200 x 910 にカットして頂きました。
自分の場合は歩きましたが、まあ重いので、タクシーで運ぶのも良いかもしれません。場合によっては板の送料より安いかもしれません。
より詳細な作り方は、皆さん十人十色の作られ方をしているようなので敢えて特定サイトのみを挙げることはしません。ですが、少し検索してみると、ご自身にあった作り方がきっと見つかると思います。
なお、バランスディスクは格安のものを買うと壊れている場合もあるため、レビューを頼りにして選りすぐったり、あるいは予備として1個くらい多めに買ったりするとさわやかです。いざ届いたときに壊れていて「もう一回注文して、次の便が届くまで待機か…」となるストレスが回避できますからね。
下から、静床ライト、バランスディスク、ジョイントコルクマット、ベニヤ板、ジョイントコルクマット、P 防振マットを重ねています。
最終的にこんな感じになりました。
タムは、3つとも大きさが同じで共振することが怖かったため、気休めですが、タオルを掛けて固有振動数を不揃いにする工夫をしています。
見て頂けるように、電子ドラムのセットに含まれていたデフォルトのスローンは高さが足りなかったため (膝がお尻より高くなりました)、椅子の底上げをしています。
まず、簡単な DIY の仕方が出てくることを期待して「椅子の高さを上げる」でググりました。そうすると、まず目に入ったのはこういう底上げパーツの広告でした。
こればっかりは Web 広告の力はやっぱり強いなと思いましたね。
コンクリートブロックなどで済ませたほうが安かったかもしれませんが、ラクに済ませようと思い、思わずそういうものを買っちゃいました。8 cm ほど高まるものを選びました。これでやっと太腿が水平になります。
なお、P防振マットのはみ出した部分を (椅子に当たって困ることだし) ナナメに切ったら、まるで最初からこの配置をするためにあつらえられた感が出て、ええ感じになりました。
ともあれ、ふにゃふにゃシステム導入後しばらくして、不動産から連絡があるということは無くなり、ひとまず胸をなでおろしました。
最終的に電子ドラムのセットや付随品以外でに必要になった備品は、以下です。
- P-カットテープ*4
- USB ケーブル A-B タイプ 5m (電ドラと PC の接続。*5 )
- 継ぎ脚 (4点セット)
- 追加のキックトリガーペダル
- ステレオケーブル (予備のペダル用に買いましたが、ペダルに付いて来てたので不要でした。)
ふにゃふにゃシステム用
- 静床ライト (530 x 524 x 12, 10点セット)
- P防振マット (910 x 455 x 10) ✕ 2
- ベニヤ板 (1820 x 910 x 12)
- ジョイントコルクマット (300 x 300 x 8, 16点セット)
- バランスディスク ✕ 4
e-amusument と KONAMI ID を紐付ける
これがもう出来ているかたは、読み飛ばして頂ければと思います。
実は、自分はこれにもちょっと苦労したのでした。
e-amusument pass の番号と、PC で別途作った KONAMI ID がどうしても紐付かないのです。
これは、PASELI を使ったさいに、KONAMI ID がランダムな ID 名で自動的に作られていたためでした。
なので、以下の URL からログインする必要があったのでした。
PC と電子ドラムを接続する
メーカー問わず割と多くのモデルが A-B タイプの USB ケーブルで接続できるようです (DTXMania2 の記述参照)。しかし異なるものもあるようなので、購入時に何のケーブルが必要かをよく確かめるのが良さそうです。
さて、いざ接続し、ついに憧れの自宅 GITADORA…!と急ぎ勇んでみるも、いくつかの課題が残ります*6。
まず、叩き方なのか、ハイハットがほとんど感受されません。加えて、どうもタイミングがずれる感があります。
これではゲームにならない…?やっとここまで来たというのに、恐れで心拍数が高まります。
しかし…これは落ち着いて対処すれば解消されるものでした。慌てず1つ1つ見ていきましょう。
感度を調整する
GITADORA 側の方でめちゃくちゃ小さい信号でも拾うようにしきい値を最小にします。しかし、ハイハットを「ゴスッ」と音がするほど叩かないと拾ってくれないし、さらに悪いことに、前の振動が残っているからか連打がスルーされてしまします。
ヘッドホンで聞く分には明らかに音の出る強さで叩いているのに、です。
これは一体どうしたらいいのでしょうか。
MIDI の信号はどうやら、ヘッドホン用に鳴らす音を少し粗くしたようなものっぽく、その粗さのせいで小さめの音が流れていってなかったようです。
改めてドラムの説明書をよく読んでみれば、パッドや、MIDI、USB の設定項目が割と充実していることに気づきます。
まず思いつくのは、パッドの感受性を高め、小さい力でも大きい音が出るように設定することです。これで、MIDI として認識されるために十分な強さの出力が出がちになります。
ただ、ハイハット含むシンバルの音だけが突出してしまい、楽器としての練習するときのバランスが悪くなります。
それに、まだハイハットが気分屋で、叩き方が悪いと MIDI 出力してくれないみたいなことになります…。こういうのはプレイにかなり悪影響するので、ちょっと困ります。
そうこうしているうちに、USB の設定において MIDI 出力されるための感度が高められることに気づきました。
基本的にはこの方法に頼りつつ、それでも足りなければハイハット含むシンバルの感受性を少し高めます。
これでようやく、叩く強さとしてはプレイに支障がなくなりました。
楽器の練習という面から見ても、許容できる感度のバランスに出来ました。もともとシンバル系は少し音が小さめだった気もしますし、ほんのちょっと感度を上げるくらいならむしろバランスが良くなったとも言えそうです。
※ 2021/01/24 追記 ↓↓
上の調整をやってもなお、左手でハイハットを叩いたり、スティックの肩でレフトシンバルを叩いたりしたときにレスポンスが無くてイマイチ捗らなかったので、さらに調査をしました。
なんと、まさにフチを肩で叩く「リムショット」が、別の信号として処理されていたのです。
前にもいちどこれを疑ってパッド設定時に探って見たのですが、そのときは狙ってリムショットを出せなかったので、このことに気づきませんでした。が、肩で結構強めに叩いたところついに別の信号として現れるリムショットを炙り出せたのです。
ハイハットに至っては、オープン/クローズド ✕ 通常/リム の合計4通りのショットが区別されており、全ての信号をハイハットに登録する必要がありました。
これでかなり快適にプレイできます。
※ 追記ここまで ↑↑
遅延を解消する
さて、それでも、何かがおかしいです。
タイミングが少し…、いや少しどころか、16分1つ分くらいずれている感じがあって、これではとてもプレイになりません。
これは判定の問題でしょうか?
いや、全然気づかなかったのですが、判定は正確に合っており、なんと音だけが遅れて来ていたのでした。
音がズレると、判定が正確でもズレて感じられるというのは興味深い現象ですが、まあそれでもプレイにならないことには変わりないですよね。
ともあれ、現象がハッキリ分かれば、解決策も見つけやすいものです。
よく見たら、FAQ に解消方法があるではありませんか。最初は「判定のタイミングがあわない。」ばかり見ていてとても解決に辿り着けそうにありませんでしたが、のちに「ゲームプレー時の楽器音が遅れて出力されます。」という質問があるのに気づき、無事解消しました。
FAQ のこの質問に対する回答に忠実に従って操作すれば、すっかり具合が良くなりました。
かいつまんで言えば、Windows の再生デバイスをスピーカーにし、かつ、GITADORA のオーディオ再生を「WASAPI (排他モード)」にするとのことです。
強いて言えば、PC の 音のメインの出力をスピーカーにしないと出来ないのか、AirPods などでは出来ないのか気になるところです。欲を言えばイヤホンで遊びたいものですが。これはもう少し研究してみます。
とはいえ、これでようやくプレイ出来ます!長かった…。
しかし、本当に好きな曲を「自在に」遊べるようになるためには、長いのはここからです。
まだまだ自分の実力は、好きな曲のほんの一部を、それもかなり手負いになりながらクリアするというおぼつかないもの。憧れの曲たちで楽しい時間を過ごすための俺たちの戦いは、まだ始まったばかりなのです…。
あとがき
さて、前回「慌てずにすごく基本的なことをやったほうが近道では?」みたいなことを書いたので、最後にその振り返りをしたいと思います。
BPM 100 でものすごく簡単なことをし、出来るようになったら少しずつテンポを上げる、みたいな練習をしてきました。
一見遠回りだし当初は、クリアできる曲が増えないことにフラストレーションを感じるのではないかと不安にもなりましたが、幸い、少しずつ具体的な成果が出てきました。
前回の記事執筆時点での主な攻略済み曲が
- Infinite ADV. (再)(((再) はもともとクリアできてた曲の (本当に 10 年ぶりくらいの) 再クリアです。))
- しっぽのロック (再)
- BRE∀K DOWN! (再)
- Funky sonic World ADV. (再)
だったのですが、以下もようやく達成できてしました。中には、この自主練前に5〜20回ほどやっても、全く達成できないものもあったのですが。
- Concertino in Blue BAS. (再)
- MAD BLAST ADV. (再)
- BLACK JACKAL EXT.
- たまゆら ADV.
BLACK JACKAL やたまゆらは、逆詐称と言われている (見た目より簡単な) 曲ではあるものの、新曲や、昔とうとう出来なかった曲にも手が届くようになったという点で、自分なりに快挙かなと思います。
BPM 100 - 120 で基礎的な練習を繰り返すだけでも、より速い曲のテンポコントロールが自然にできるようになったし、フィルの前後でのテンポの乱れも少し抑えられました。ようは、イメトレで出来ることが確実に再生できるようになってきたのです。
また、よく行っているゲーセンの判定が最近改善されたばっかりだったことも、後押ししてくれたように思います。店員さん、ありがとう…!この場を借りて感謝いたします。
ところで上のような練習をする場合、「慣れてきたな」と思うまで BPM を上げずに同じことを繰り返すわけですが、「慣れてきたな」と自分で思うタイミングは、いつに設定すべきでしょうか。
これは、「楽しくなってきた」タイミングかなと思います。
苦手なあるパターンを乱れながらギリギリ再現できたとしても、やっぱりそれはしんどいしあんまり楽しくないのです。
ところが恥をしのんでかなり BPM を落とし、そのクリック音に合わせてパターンを再現しようとしてみると、不思議と楽しくなってくるのです。
パターンによっては、得意じゃないしなあなあにしたいな、とか、同じことの繰り返しは飽きちゃうよな、などと思えてきて、渋々練習を開始するようなときもあります。
しかし身の丈にあった BPM で着実に着実にやってみると、あるときから急に楽しくなってくるのです。これこそ、「慣れた」と言えるタイミングではないでしょうか。
やっぱり音楽ですから、「音」になってくる感じが楽しいのでしょう。そこには、ゲームとして攻略できる喜びだけでは説明できない何かがあるのでしょう*7。
しかし、出来たはずのことが次の日にはできなくなっているということもあります。そのときはきっとまた恥をしのんで、BPM を下げて同じことを繰り返す必要があるのでしょう、
さて、ターゲットとしていた花の唄も、家ではクリアだけは出来ました。しかしまだ B にとどまってしまいました。A や S で出来るようになるまでは、当初の計画通り、繰り返し練習をしたほうが良いでしょう。
より高難度の曲でやってみたい曲はもちろんたくさんありますが、一歩一歩やっていきたいところです (次にBPM 130 - 140 あたりを鍛えるなら、「E-MAIL ME!」あたりが目標になるでしょうか?)。
それでは、ここまでありがとうございました!
そういえば、メーカーまで覚えていなかったのですが、Poppin'Party の沙綾ちゃんも練習用に購入したのが Roland だったんですね。描画も (元) 実在のシリーズを精密に再現しているような。
購入までの心の動きといい、有り難いことに、ちょっとしたシンパシーを感じました。
*1:双頭プラグなどで2つペダルを繋げるようにしても、本体側が複数のペダルの信号を区別するクチを持っていなければ、左右のペダルの入力が同じ信号として処理されてしまうため、GITADORA 上で区別することは叶わないでしょう。
*2:まあ、激しい曲のつもりでライドシンバルを叩きまくるのは気持ちいいですもんね。
*3:トリガーの反応する敷居が見えにくいんですよね。踏むためにつま先を持ち上げるときにも、思わず鳴らしてしまったりとか。。でも KT-9 でツーバスされているかたもいらっしゃるので、私がまだまだ下手というだけで、慣れの問題かもしれません。
*4:タオルを巻いたり、静床ライトを接続したりするのに便利でした。養生テープよりも、P-カットテープというやつのほうが強力でした。値段もガムテープくらいで割安です。
*5:「DTXMania2」のサイトを見るに、多くの電ドラはタイプ B で接続できるようです。なお、自分の場合、2m では長さが足りず、5m を買い直しました。
*6:なお、とても個人的な話ですが、先の年末についにこれが実現した矢先にまず不動産から連絡があり、急いでふにゃふにゃシステムを設立したら今度は PC が寿命で壊れ…というトラブルが続き、やっぱり夢は叶わぬものなのか…?という皮肉な運命さえも感じかけました。