Astral Harmony 感想 音は不安を洗い流し意志を運んでいく

こんにちは。センケイです。

BanG Dream!、ライブが開催されつつあるのは片目に見ていました。

しかしあいにく夏頃のライブは、ちょうど Aqours のライブが見送りになった頃でもあったために、何となくライブに行くこと自体に後ろめたさを感じており。そうこうしている間に申し込み損ねてしまっていました。

 

そのとき感染されたかたがいらっしゃらなかったと伺い、十分に安全ということが分かってくると、Morfonica の、そして何より BanG Dream! の中でも一番好きなバンドである Poppin'Party のライブが恋しくてたまらなく感じられました。

 

考えてみれば BanG Dream! のリアルライブの魅力というのは、本当にたくさんあるのです。

 

まずはキャラクターとともにライブを重ねて、歴史を作って来られているところに目が行きます。しかしもちろんそれだけではありません。

 

まず生音の演奏が聴けるということ。

NGNC の前日譚の記事で書きましたように、私はもともと夏フェスなどを追いかけてきた人間ですから、これには酔いしれてしまいます。高鳴りする楽器の音に、それだけで身体が自然に熱くなってきます。

そもそも、生演奏があるということ、これだけでも本来ライブとして1つの完成品なわけですものね。この時点ですでにライブ1つ分の充足を得ます。

 

そして、カッコイイということ。

Morfonica についても書きたいことは山程ありますが、やはりアニメ1期から好きでいる Poppin'Party の文章量が多くなること、ご容赦ください。

その上で書かせていただくなら、1名1名が本当に幅広い活躍をされており、それでいてあのようなダイナミックな演奏をしてらっしゃるんだというところに、文字通り「心震わ」されます。

以前書きましたように推しは、性格や口調の一番好きな市ヶ谷有咲で、もちろんスタァとしてもご活躍される伊藤彩沙さんのこともお慕いさせていただいていますが、5名のご活躍を見ているとやはり箱推しせざるを得なくなってきます。

…これは書いていくと恐らく長くなるので、続きはあとがきに回しましょう。

 

そして曲が良いです。もう少し無難に言うなら、とにかくもう自分の好みというわけです。

Poppin'Party の曲はストレートな曲調が心に刺さり、そこにアイドル性や元気さもまた垣間見えるいっぽう、バンドサウンドとしての厚みや尖ったところが出てくるというギャップ萌えがある点で、至高そのものです。アニメ作品でバンドをやる魅力そのものと言いましょうか。

Morfonica についても、上品なようでいて実はゴリゴリの重たさのある、かなりカッコイイ曲であることに改めて気付かされました。これはかなりヤバいです。

 

というわけで、本当に幸せな時間だったなということを改めて思うのですが、時間軸に沿ってもう少し具体的に書いていきましょう。

 

 

Morfonica、今はまだものすごい再生回数で聴いてきているわけではありませんので、自分の語る語彙はあいにく多くはありません。

しかし、曲が始まるともうどうしようもなく引き込まれ、身体が踊りそうになってしまうのです。

このような時期ですからあまり激しく動くのは避け、うるさい動きにならないことにも気を付けつつも、知らずしらずのうちに音に身を任せて少しヘドバンをしておりました。

 

「Flame of hope」は、…確か BanG Dream! のラジオで使われていた単語を借りるなら…、シブエモに当たるでしょうか。サウンドの圧に、一曲目から完全に感情を持っていかれます。

 

中盤、カバー曲「LEVEL5-judgelight –」等を挟んで行なわれる、より馴染みのあるオリジナル曲「金色へのプレリュード」と「Daylight -デイライト- 」。

これらの曲がここで聴けて嬉しいということをしみじみ感じたため、改めて両曲がとても好きな曲だったんだなと痛感しました。

そして演奏技術がとても素晴らしいです。

特に、聴くだにかなり複雑な fripSide のリズムを涼しい顔で叩いてらっしゃる mika さんが素敵で、このあたりから推し始めていました。

Morfonica が巧すぎるというのはある種の複雑な気持ちを呼ばなくもないですが…笑。まあ、あまり気にしないことにしましょう。

 

「ハーモニー・デイ」にて締めくくられる Morfonica の演目、この時点で終演になっても納得して帰宅できる、そう言っていいほどの満足を得ました。

しかし驚くべきことに、このあと待ちに待った Poppin'Party の演目が始まるのです。楽しみで、幕間の劇伴にさえも身体が追随してしまいます。

 

さて、推しているバンドとなると、そんなふうに楽しみにしていることが足かせになってしまうといいますか。当初は、「「あの曲は今回は無いの…?」みたいなことを気にしすぎて楽しめなくなったらやだな」みたいなメタな心配をしていました。

それに、箱推しせざるを得ないということで、「あのかたのあの演奏をみなくちゃ」みたいにせわしなく目を動かすのに必死になって集中できない、そんな心配もちょっとありました。

 

や、完全に杞憂でしたよね。 まず冒頭から「ミライトレイン」、おわ、これが聴きたかったのだ…!ってなって、続いて「キズナミュージック♪」ともう最初からクライマックスな展開です。

で、もう曲と演奏の良さ、動きのダイナミックさにすっかり没入しているものですから、幸い、「あれを見よう」「これを見よう」みたいな意識的な動きをする思考がほぼ無くなっているわけです。メタ認知は終了しました。ただただ音と動きに酔いしれます。

 

特に「キズナミュージック♪」のサビ、無限に階段を登るように高まってくる感じとでも言いましょうか。

四つ打ちが一体感を生むためでしょうか。あるいは、サビの途中でパターンが変わるためでしょうか。メンバー間で音が調和してくるバンド一般に成り立つよさと、みんなで/交代交代で歌うという Poppin'Party らしいよさの両立が、この曲で特に出ているのを感じます。

みんなで歌うから交代交代で歌うに、ハイハットからライドに変わり疾走感が高まるなかで、ここにどことなく切なさがあるメロディーが不思議なほどマッチし、言いも言われぬ恍惚を生んでいます。もう大満足です。

 

それで次に来るのがなんと「Returns」ですよ。えっ?これを聴けて良いの?こんなに恵まれたセトリで良いの!?ってなりますよね。

NGNC のときよりも繰り返しイヤホンで聴き、曲の好きさがますます高まっているので、これはタイムリーすぎます。

それで先刻までとの表情のギャップ…これもまた大変素晴らしいパフォーマンスです。

 

そして「1000回潤んだ空」。静かに始まったあとでグッと芯の入ってくる、抑揚のある曲が2曲続くのは、ありていに言えば「わかってる」セトリというところでしょうか。

かくがねさんのディスクレビューからお知恵をお借りすると見えてくるのは、この曲が1つの転換点となっており、しかもその歌詞もメタにそれを歌ったものになっているらしい、ということです。

現在、余力を残して見事な演奏をされている5名に対して、改めて成長物語を見出すのは、今となっては野暮という風にも思っていました。自分が楽器の練習を再開してみると、はるか雲の上の存在ということもまた痛いほど分かるため、なおさらです。

ですが、一線を超えて夢を叶えている今の5名が、夢を叶えるまでを顧みているという構図、これにはまた独自の美しさがあるというのも事実でしょう。

 

 

さて、重たいサウンドにかなり速い BPM「Time Lapse」でこれまた問答無用で踊らされた後、さらに「イニシャル」が来るのです。

や、これを待ってたんですよ…!

もし楽しみにしていることに意識が行き過ぎていたら、その情動は目減りしていたかもしれません。しかし幸い、これまでの怒涛の展開のおかげで、楽しみであることをすっかり忘れることが出来ていたのです*1。このため、不意打ちに膝から崩れ落ちることが出来るという、極めて理想的な邂逅となりました…。

1期から2期、3期と進む中で、ポップさに切なさ、渋さが徐々に加わってきた流れを思うと、個人的に「イニシャル」は Poppin'Party らしさの頂点を極めた曲と感じられていました。だから絶対にライブで聴きたい曲だったのです。

 

最初に敢えて、少しだけギャップを感じた点を言ってしまうと、この曲は皆で歌う曲であってスタンドマイクとの距離が重要になるためか、PV と同程度に激しく踊りながら歌うという内容ではありませんでした。

しかし逆に言えばそこには、皆で歌うという、 Poppin'Party の真髄が現れているというわけです。

皆で歌う、そしてファッショナブルな衣装を身にまとうというアイドル的なきらびやかさ。他方、渋いサウンドをかき鳴らしていく凛としたさま。これに3期 OP という歴史を引き受けるような文脈が加わり、最高のハーモニーです。

2021 年、最高でした…。ありがとう…。

 

しかし大変ありがたいことに、音楽はまだ止まりません。カバー曲「only my railgun」とオリジナル曲「Hello! Wink!」という横ノリの曲が続き、ライブの楽しさの幅に改めて驚かされます。

 

もう十分満足したはずだけど、やっぱりもうすぐ終わりとなると、終わってほしくない、終わってほしくない…という言葉が頭の中にこだまし始めます。

しかしそれを払拭するように「キラキラだとか夢だとか 〜Sing Girls〜」。後輩を応援する文脈にも、最初はバラバラだった5人がだんだんメンバーになってきた文脈にも取れることがまた美しいこの曲。

始まりそうな予感が今、実際に始まっているという事実に心酔でき、今を楽しもうという気持ちが全身に呼び戻されます。おかげでこのライブの終わりを、少しずつ受け入れることが出来ていきます。

 

そしてトドメを指すように「CiRCLING」。自分は今までのライブの参戦回数が少ないこともあって、恐らくライブの定番曲なのであろうこの曲のコンテクストを正確に把握することが出来ていません。

しかしそれでも、うまく言えませんが、曲、そして皆の反響から伝わってくる気がするのです。Poppin'Party にとっての輪/和/環の大事さが。

音楽を通じて伝わってくる意志のようなもの。それが具体的に次の何につながるかはハッキリとは分かりません。しかし少なくとも、それぞれがそれを持ち帰り、明日からの糧にできるのだということが感じられてきます。

ここでも、残された短い時間を気にする余地もないくらい、すっかり陶酔できる心地よさ。その恍惚の中で、終始この曲を楽しんで聴くことができました。

 

そして最後に迎えられた大団円。

NGNC 同様、どこかシノギを削るライバル同士みたいな感があって、そのぶつかり合う演奏の音の厚みがたまりません。

「Daylight -デイライト-」に加わる、Poppin'Party の前へ前へと突き進むパフォーマンス。

そして、「Yes!BanG_Dream!」に加わる、Morfonica の技術巧みで華麗な優雅さや瀟洒さ。

いつもとは違うこの曲の彩られは、ここまでの公演内容のどれとも違う楽しさがあり、これもまた終わりを惜しむでもなく酔いしれていました。

 

音楽をなかなか生で効きにくい時代になってしまったからこそ、スタッフのかたがたがこうした機会を努力をしてらっしゃること、キャストのかたがたが音楽を通じて皆を元気づけようとしてくださること、いずれに対しても感謝が耐えません。

周りのかたがたも満足して帰っていくさまがあり、それもまた忘れがたい光景の1つです。

 

こうした希望に満ちた時間は、決して無くなったわけではない。

それが分かるだけでも、大混乱に陥った世界が (いつ) 元に戻れるのかも分からないけれど、それでも頑張っていこうって思えるじゃないですか。

 

 

あとがき

 

長くなりましたが、ここまでありがとうございました。

やっぱり本当に着目したいところが多くて、何度も参戦して色々な推しポイントをその都度拝見できて行けたらなぁと思う次第です。

今更私が申し上げることでも無いかもしれませんが、彩沙さんのところで書きかけたお話の続きを書かせて頂くとするなら…、

大橋彩香さんは前のライブ感想で書きましたようにダンサー顔負けの圧倒的なダンスをされていましたし、西本りみさんは舞台のほかになんとカットモデルとしてもご活躍されていますし、大塚紗英さんは驚くべきことに1アルバムまるごとご自身で作詞作曲してらっしゃってます。その事実を知る前にアルバムを聴いたときは、まず曲調の幅の広さがものすごくツボですぐに引き込まれましたが、なんとそれが全部ご自身の作とは…!

そしてこれに続くかのように、なんと愛美さんもご自身で作詞作曲されている CD をリリースされるというニュースが入ってきました!

どのおかたも本当にかっこよくて、そう考えていくと、箱推しにならざるを得ないところがあります。

だから、と申しましょうか、一回一回のライブで完全にゾーンに入っていて「思い残すことは何も無い…」という大満足を得ても、やっぱり何度もライブに足を運んでそれぞれのご活躍を拝見し、推しポイントを推したいという気持ちが溢れてきます。

 

そういうわけでして、まだまだ気をつけながら参戦したり会話したりする必要も出そうではありますが、是非またライブ会場でお会いしましょう!

*1:そもそもいい歌があまりに多く、単曲待ちにならずに済んでいるというところが大きいかもしれません。