去年取りこぼした幾つかの目標と、その対応

こんにちは。センケイです。

普段は好きな作品であるラブライブ!について書いたり、戦略ゲームについて書いたりすることが多いのですが、自分のことを振り返る記事を書くのも好きなので、せっかく頂いたこの機会に、今年のことを書いてみたいと思います。

 

機会というのは、人文学系な人たちと、その周辺 Advent Calendar 2021 に参加させて頂けるというものです。今回の記事は、その1記事として書いているものです。

 

このアドベントカレンダーのテーマの1つに、今年の振り返りというものがあり、ちょうど、自分の状況や目標を振り返るにはいいタイミングだなとやんわり思っていたところだったので、有り難いタイミングと感じました。

というのも、去年のはじめ、あるいは去年を過ごす中で、漠然とこういう状態でありたいとか、こういう夢を達成したいと思ったことについて、今や概ね納得できる形になってきたので、書き留めておくには良い頃合いかなと感じたためです。

加えて、納得出来てきているということは、飢餓感から新しいことを始めるのが難しいということでもあり、次の目標を考えることも今必要なステップかな、という想いもあり、これがもう1つの理由です。

ただし、既存の夢が概ねかなったことで今は、住環境や生活、会社での立ち位置に不満がないので、具体的かつ実用的な目標を立てる必要は必ずしもない状態です。このため今、何かしらの理解を深めたり、二次を含む創作をしたりといった、終わりのない大きな対象に専念するチャンスがあります。したがって次の夢や目標は、そうした継続改善を行うようなテーマの中の、具体的ないちマイルストーンとして設定するのが好ましいでしょう。

 

さて、上で書いたように、去年思い描いていた状態や夢の振り返りをまず行ないたいところです。これにはちょうど良い足がかりがありました。

今年 2021 年はやらないでしまいましたが、去年 2020 年は1月に抱負をそこそこ真面目にツイートしていました。去年末にも一応達成の具合を振り返りましたが、再度見返したいと思います。

 

そして自己評価ながら、去年末時点での達成具合がこのような状況でした。

 

ここで ✕ のものと、書き忘れたもの、新たに増えたものを合わせて分類したところ、大きくは以下の5分類が出来ました。

  1. このツイートで書き漏らしたもの
  2. 努力だけでは達成できないもの (IELTS, 体重)
  3. 習慣に組み込む必要があるもの (科学コミュ、読書前目標)
  4. 人を巻き込むもの (イベント、好奇心の共有)
  5. 去年の途中で新たに目指したくなったもの

さて、実は 1. 、つまりここで振り返り忘れた目標で「紙の刊行物」というものがあったのですが、実はこれは今年達成しています!

はじめは合同誌にお誘いいただいて、そのおかげでようやく紙の刊行物に文を載せるということができ、感無量だったのですが、勢いが付き、自分で単著の自費出版をするということもついに達成できました。

この単著についても多くのかたの沢山の助けがあってようやく実ったものなのですが、詳しくは本誌記載のため、機会があればいつかそれを眺めて頂けたら嬉しいなと思います。

好きな作品の視点を導入することで社会の理解に役立てたいみたいな情熱が前々からかなりあって、曲がりなりにも形に出来たという意味で、これは自分としては今年最大の功績ではないかと感じています。

本当はいつか論文として出したいという思いもあるものの、論文のフォーマットではなく同人誌としてしか書けない内容も色々とあるはずですし、いつか論文を狙うかどうかに関わらず、納得のできる仕事ができたと感じています。

 

さて、2. 以降ですが、それぞれ独自のハードルがありますね。

次は「2. 努力だけでは達成できないもの」ですが、こういうふうに結果が後からしか付いてこないものは、どうしようもないので、あまり出来てないです笑。ので、「目指す」というのとはちょっと違う構え方でないとダメなのかもしれませんね。

ただ工夫のしようはあるな、といったところです。

英語について言えば、Netflix で英語を学べる Chrome 拡張があるので、これを使えば初見の作品でも英語学習ができます。なぜなら、これによって、日本語字幕と英語字幕が同時に表示できるからです。

chrome.google.com

それで、初見のアニメ作品をこれを使って英語吹替で見ようというのを始めています。いや、もちろん、存じ上げている声優さんの名演を聞かないでしまうのには心理的抵抗があります。でもね、今まで見なかった作品をちゃんとこれから見るんですか、自分?という話なんですよね。見ないままにするよりは、英語学習のためにこの機に見ようっていうほうがマシじゃないですか。

具体的には、ある作品を漫画・アニメとも3部から入門してしまったため、残った1〜2部でこれをやっているのですが、なにしろ元の作品が大変面白いものですから、毎日 (難民にならんばかりの勢いで) 継続できています。続かないことをやるよりはね、これで良いのだと思います。

さて、その英語の声優さんというのも大変名演で、またセリフ回しも自分が理解できる限り、元の意味を活かした英語になっている感じがあってですね。翻訳をリスペクトしながら堪能できるという良さもあります。それに嬉しいじゃないですか、こうやって素晴らしい翻訳の仕事がなされるくらい、海外で評価されてるっていうのが。

 

体重、自分の場合は増やしたいという悩みなのですが、これは 5. の達成に応じて毎日欠かさず1〜2時間の運動をする習慣が出来たため、そろそろ改善が始まりそうなきざしはあります。

 

次は「3. 習慣に組み込む必要があるもの」ですがこれも難しいですね。短期的にワッとやるのではなくて、仮に細々とでも続けていかないと形になりにくいものたちです。

1つは科学コミュニケーション。自分はツイッターを始めて割と最初の頃は、自然科学をテーマになにか面白いことをしよう、みたいな活動に精力的でした。でもあるときから忙しくなったり、あるいはどうせやるならもっと活動の構造自体を面白くしたいと思ったりして、そうこうしているうちに活動が途切れてしまいました。

でも、何らかの形で多少そういう動きをまたやりたいと思って去年ツイートしまして。そのツイートのときはあまり意識してなかったですが、思えはそれが理由で親しくなった友人もいるし、やっぱりあの活動は大事なものだったなと、去年以上に今思うわけなんですね。もちろん活動の反省点も、当時もう少し発言の裏を取る精度を高めても良かったのでは、みたいなのが色々となくはないですが。

でも漠然とやってもあれですから、まずはテーマや方向性決めですかね。自然科学とは限らない勉強会を今定期的にやっているのですが、そうした今の活動とのつながりも考えつつ、考えが降ってきたらいつでも動ける、みたいな体制だけ整えておきましょう。

 

もう1つは、専門書や新書を漫然と読むのではなく、そこから何を知りたいのか?と目標を持つことをやりたいと思っていました。やっぱりなんとなく面白かったというだけでなく、得るものを多少は定めて読みたいと思うのです。ただ、習慣に組み入れないと意味ないし、今の所やらないで来てしまいました。

そこで!いい機会ですから、直近読みたい本については、この記事で追って次の目標を考えるさい、目標を書いてみようと思います。

 

 

次は「4. 人を巻き込むもの」。これは周りのかたが実際どう思っているかに依るし、それを私が勝手に決めるのはご法度なので、明確な自己評価は出来ません。

でも、たぶん、じわじわと出来てきてるんじゃないかと思います。

まずイベントについては、これも自分は生みの苦しみを一緒にやらせて頂いたわけでなく、あくまで再開のお手伝いに混ぜて頂いただけなので、「出来た」と言い切るのはおこがましいのですが…、あるリアル・オンライン ハイブリッドのイベントの復活の助けをさせて頂いたので、ちょっと満足した気持ちを得つつあります。

好奇心の共有のほうは、実は近しい興味のベクトルを持っているかたがたが、職場をはじめ、もともと周りにいらっしゃったなぁというのに改めて気付いたというのがあります。

分子や細胞レベルから、個体、組織、そして社会のレベルへ。そうした現実の複雑さの機微を、少なくとも部分的には一緒に楽しんでくれるような仲間が居たと、改めてだんだん感じてきている次第です。

 

 

さて、目標の振り返りとしては最後の軸は、「5.  去年の途中で新たに目指したくなったもの」ですね。

これは実は非常に具体的な1つのテーマで、予備校のころの密かな夢であった、家で電子ドラムをやれるということ、できればついでに DrumMania がやれるということ、でした。

結論から言ってしまうと、この長年の夢が前回の年末年始、実現できました!

そのいきさつは奇妙なもので、どちらかといえばレアイベントなある出来事があったために、ダイニングに少しゆとりのある家に住んでいたところだったので、ドラムを置くにはちょうど過去イチのタイミングだったのです。

さらに驚くべきことに、自分が電子ドラムするにはどうすれば良いか考え始めていた 2020 年 11 月のその翌月、電子ドラムがあれば家庭で DrumMania が出来るサブスクが、まさに登場するところだったのです。奇跡!

音と近所付き合いだけはやっぱり心配だったので、さいしょは1階の物件に引っ越そうかと悩んだものでした。しかし、上のような条件が揃った当時、もう待ちきれずに、絨毯とかめちゃめちゃ工夫すれば行けるのでは?と調子に乗って、引っ越しもせず、早速渋谷の楽器屋さんに駆け込んでしまいました。

業務用のかなりゴツい防音材を揃えて、早速!とやっていたものの、実は最初はトラブルがあり…。せっかく買ったこいつは無駄になってしまうのか!?と塞ぎ込む気持ちに襲われました。しかし、この現代、やっぱりインターネットでのみんなの知恵というのはすごいものでした。調べていた結果、「ディスクふにゃふにゃシステム」という叡智の結晶にたどり着いたのです。これならばさらに 20 デシベルほど静音化できるのか!?と。それで結果は見事に成功。1階で無くても電子ドラムを叩けるということが叶ってしまったのですよね。

a16777216.hatenablog.com

 

さて、以上のように残された抱負の分類5種のうち、3つは多分概ね叶っていて、あとの2つについては大まかな方針を示しました。

 

あと残っている設計タスクとしては、こと読書についてはもう少し具体的な方針として、次に学びたい目標を挙げるということ。これを最後に行ないたいと思います。そしてこれは、冒頭で課題としてあげた、継続改善するテーマのうちの1つ「理解を深める」という大きな山のいちマイルストーンになるため、次の夢、あるいは来年の目標としても機能することでしょう。これを定めることをもって、この記事を閉じたいと思います。

 

まず、もう1つの継続改善テーマである二次創作、というか考察活動にも繋がる読書目標を整理したいと思います。

上で挙げたように、ラブライブ!シリーズでの組織や集団の運営を読み解くことで、曲がりなりにも現実社会の理解につなげることが出来ないかと、これまで画策して参りました。そして、もちろん査読有りの文献では決してないのですが、同人誌という形で1つの具現化まで到達出来、少なくとも自分である程度納得できる内容のものが作れました。

この一冊はシリーズでも第二世代にあたる作品に着目したもので、コミュニティの頑健さや適応力を考える上で一定の意義があるのではないかと考えています。しかし個人的にはさらに、第三世代の作品からも引き出したい理解があるのです。第三世代のアニメないしゲームのプロットは、出自、規範、価値基準などがそれぞればらばらであるメンバーを余すこと無く包摂し、「居場所」を与えるというものになっています。個人的にはこれは、組織や集団の運営を考える上でかなり現代的な視点をもたらすものだと感じており、ここからコミュニティに関する理解や議論を引き出すことなく一生を終えるというわけにはいかないという想いがあります。

ですから、読書の第一のマイルストーンとして据えたいのは、コミュニティが複数の出自、価値基準などを包摂する方法、その理論、あるいはトレードオフになるもの、こうしたものへの理解です。加えて言えば、コミュニティ内外の相互行為や、役割分担、ラベリングなどの議論の理解も必要となってくるでしょう。しかし興味の中心は包摂になります。

なおこの第三世代については、1期の間は周りのかたがたの薫陶もあったおかげで全 13 話について毎回感想記事を書くことが出来たため、考察活動においてはこちらが良い足がかりになりそうです。

 

第二は、学術的な理解を生活の実践に結びつけることを行なっていきたいと思います。これもまた周りの薫陶があって、美味しいご飯や良質な睡眠、良いお風呂の入り方など、日々の暮らしを考えるのが以前にも増して面白くなってきています。ことご飯については、味覚や嗅覚についての生理学や生化学、発酵に関する細胞生物学や人類学、食の慣習や農業に関する地理学や歴史学、加工プロセスに関する化学や物理学と、多岐にわたる専門分野との接点があります。まさに人類の叡智の集積!

生活の向上と、知識を得る動機作り、両者の相乗効果を狙う上で格好の題材になるのではと思い、これを二つ目に挙げたいと思います。

では特にどこに着目するか。今のところ、料理の科学という本や、料理の四面体といったプロセスに関する本と、食の地理については多少読んでいるのですが、他方味覚や嗅覚、発酵、農業などについては積ん読のものが多くあるため、(分類のていにはなっていませんが) 単にこれら未読であるものをまずは興味で読んでみたいと思います。

 

 

あと二つこれから挙げるものは、ずっと前から追求してきている、複雑なものの理解です。

そこで、三つ目にはその理解するための汎用的な手法である数学の洗練を、対して四つ目は現象の収集を挙げたいと思います。

数学は、仕事でも度々スキルを要求されている、圏論をやるのでまずは間違いないと思います。まずは最低でもカン拡張を分かる状態になろうという、一般的な道のりを辿ることにしましょう。するとそれに伴って、極限などの復習や、米田埋め込みと言った未理解の概念の獲得が、自然と小目標として設定されてくれます。

 

四つ目、複雑な現象の収集は、これは着手する前にまずは探し方のメタな設計をしないといけないかもしれません。

今までには、さしあたって複雑な現象を列挙したり、その知見を体系化したりしていそうな領域で、特に自分の既存のアセットを持って触れやすいものは、のべつまくなしに触れてきたつもりです。具体的には、自己組織化と冠された本や、生態系に関する本、都市社会学の本、言語の理解のされ方についての本、あるいはそうしたものを数理モデルとして置いている本などです。濃淡はありますが、こうしたものを少なくとも入門書レベルでは読んできたつもりです。

そして現在、未知の新たな複雑な現象およびそれを理解する手法のなかで、自分の既知の現象や手法と組み合わせてそれを強化できそうなものが何なのか、ちょっと分からなくなってきました。まあ一旦落ち着いたというか、直感ですぐにシナジーがありそうと思うものや、枝に手を伸ばしやすいと分かるものについては、ざっと回り終わった状態なのだと思います。もちろん、理解の抜け漏れや、誤認、忘れたことなども多くあるでしょうから、それらを復習することも次にやるべきことの候補の1つです。

未着手の分野にどのようなものがあるかを一旦洗い出し、復習も含めた選択肢の中で、どれが現在の自分にとって特にシナジーを生みそうかというかということ。その順位付けをすることが、四つ目の目標の出発点になるでしょう。

最近なんとなく読書の意欲が落ちててまずいなー、という反省もあったのですが、実はこの四つ目についての優先順位付けについて手を動かしていなかったのが原因だったのかもしれません。一つ目〜三つ目についても、四つ目のような複雑な現象を見たいがための欲で動けていた部分が少なからずあったと思います。その自分の駆動力をどのように引き出すのか、ちょっと方針がモニョってたわけですね。この記事を書いていてスッキリしてきました。

 

そういうわけで、来年を待たずして、これら四つの目標に向けて早速動きたいと思います。

もちろんこれらはあくまで目標であって、可変でもよいのです。裏にある目的、社会とその包摂する能力の理解、複雑な現象探しとそれを理解する方法の探求、そしてあわよくば生活の質も向上。と。こうしたことを、継続してやっていきたいと思います。

 

それではここまでありがとうございました。

また、ブログかどこかでお会いしましょう!