こんにちは。センケイです。
Twitter 上では折に触れて言及させていただいていますが、私、「真剣な遊び」をテーマにした文集を、ちょうど去年 2022 年の秋から、刊行し始めることにしました。
それで、フォロワーさんや、昔からの友人、週一でやっている勉強会のメンバーの皆さんといった形で、色々なかたからご寄稿いただいたり、一緒に編集いただいたりして、それで無事第1号を出店することができました。
この「真剣な遊び」というテーマは、勉強会で挙げていただいた切り口なのですが、これは我ながら面白いと思い。
それで、第2号を 2023 年の春の文フリで刊行したいと思います!
概要
- 第一稿締め切り: 2023 年 04 月 02 日 (日曜日) 23:59
- 全体の骨格と、(必要なら) オチがあること
- 文字数: 420 〜 21,000 文字
- テーマ: 後述しますが、大まかには
- ①「真剣な遊び」or
- ②「遊びと、都市/場所/コミュニティ」or
- その他 (応相談)
- 文集名「ジリィスタイル 第2号」(+ 副題)
- 文学フリマ東京 36 (2023/05/21) に初出展予定
- 参加方法: 私の Twitter 宛に、リプライ、または DM などお送り頂けると幸いです!
- (センケイの他の連絡先ご存知であれば、どれでも大丈夫です。)
特集 ① 「真剣な遊び」
まず1つ目の特集、「真剣な遊び」についてです。これについて、もう少し説明します。
趣味というにはかなり真剣で、ライフワークというか、「ただの」趣味じゃないと言うか…そういう本気で向き合う遊び…これについて深堀りをできたらなと考えています。
推し活動、音楽、一次/二次創作…まだまだ沢山考えられるので後でもっと書きますが…、そんな活動をするとき、いつの間にか本気でやっていて、楽しいだけじゃなくて大変な時が生じるようになってきても、途中ではなかなかやめられない。こだわりを持って取り組んでいる。
そんなご経験をされたり、あるいはそういう友人が周りにいたりといったかたも少なくないのではないかと思います。
専門的には「シリアスレジャー」なんていう言葉もあったりします*1。
考察や批評、エッセイ、小説や詩など、形式は問わないのですが、こうした真剣な遊びを巡って、その喜びや困難、プロセスのありのままの姿を浮き彫りにしてみよう。
…これが、文集の目指すもの = 募集しているテキストです!
ところで、散歩のようなちょっとした遊びであっても、「テキストで考察する」くらいまでやると真剣な遊びになるものと考えられます。
なので、「特定の遊びについて、テキストで書くという真剣な営みを行なう」、というていのものでも構いません。
いずれにしても、昨今、特定の何かについてファンをやるにしても相当程度熱心にやる姿を良く見かけますし、文集として書き残していくことは重要な work になることでしょう。
特集 ② 「遊びと、都市/場所/コミュニティ」
「真剣な遊び」は、毎号に共通するテーマになっていく予定です。いっぽう、号ごとにサブテーマも持ちたいと考えています。
今回、「真剣な遊び」のみに触れる形でご寄稿の募集とともに、サブテーマ「遊びと、都市/場所/コミュニティ」に触れるご寄稿も同時に募集いたします。
テーマ①のみを設定して第1号を刊行した際、遊びを巡る場所の重要性に気付かされました。
例えば、一次/二次創作や情報誌、批評が一同に介する場所としての東京国際展示場は、特徴的な場所です。
そうした創作のコンテキストからは、「オタク」を象徴するような場所として、諸メディアに大きく取り上げられます。
一方でこの場所は、ビジネスライクのものを含めて多彩な展示会が開催されており、「コンテンツ東京」や「ツーリズム EXPO ジャパン」、「地盤技術フォーラム」といった形で多岐に渡り、ごっそり中身を入れ替えて立ち代わりで利用されています。この点では国際展示場は、非常に等質的で、特定のコンテキストに染まらない「箱」として存在しています。
果たして国際展示場は、非常に象徴的な場所なのか、それとも、ありふれた、無色の場所なのか。
(ありふれた場所というのは意味のある話題なので、参考文献のところで少し後述します)
いずれにしても「遊び」において重要な場所には違いありませんが、その場所の意義を問い直すことは面白い仕事/テキストになるでしょう。
関連して、趣味や専門分野を通じて人々の交流を促す、広くゆるいコミュニティの場所としても、考察する価値がありそうです。
このような、象徴的な場所 vs. ありふれた場所という話題は、渋谷などにも当てはまりそうです。
かつてファッションを象徴する場所であった渋谷の、渋谷らしさが薄らいできたと言われて久しいですが、しかし渋谷ももちろんボーッと佇んでいるわけではなく、絶え間なく新しい意味やカルチャーを取り込んでいるように見えます。
あるいは "趣都" と言われた秋葉原はどうか。
また、日本橋 (にっぽんばし) はどうか。一見秋葉原と似たようでいて、環状線の内側の都心に 1 km にもおよぶ「ひさし」の商店街、そしてすぐ近くにフル天蓋のアーケードも構えるその街並みは、東京と比べると大阪固有の街並みであるように見えます。
このように、遊びを巡って、あるいは街歩き/街案内という「遊び」として、個別具体的な街を見ていくのも、大変面白いものになると思います。
街歩き/街案内には、聖地巡礼/舞台探訪についての語り、およびそうしたファンコミュニティを巡る考察も、含まれてくることでしょう。
あるいは「遊び」をフィーチャーする場所として、ライブハウスや球場、カラオケといった遊興/興行施設の意味を問い直すのも、面白いものになるでしょう。
そうした施設については色々な例をのせている参考文献もあるのですが、後述します。
考えうる文章の例
あくまで一例です。
- 今まで参加したことのある即売会の思い出
- 考察が深まる聖地巡礼ガイド
- ボードゲームカフェ…開かれた街なか vs. 閉じたルール
- リアル脱出ゲームは今
- ○○線沿線の特徴と街歩きガイド
- 配信がある時代のライブ/ライブハウス
- 文学/映像における坂の意味
- 場所と音楽/ファッション/食…渋谷的、下北沢的、荻窪的なものなど
- 月、星、南極、深海…想像の対象としての場所
よかったらアイデアの叩き台として眺めていただきつつ、自由な発想でご寄稿やご相談頂けたら嬉しいです!🙏
参考文献
ありふれた場所という話題を本文中で少ししましたが、こちらの『無印都市の社会学』では、副題にあるように、「どこにでもある」空間というテーマで、一冊のオムニバス的な本としてまとめあげています。
コンビニやフランフラン、ラウンドワンなど、なるほど言われてみれば「どこにでもある」空間だ…!という興味を惹かれるラインナップ。好きな本です。
この募集の執筆時点で税込 2,860円 と、求めやすい価格ではないのですが、目次を眺めているだけでも色々発想の湧いてくる面白い本だと思います。(法律文化社さんの商品紹介ページのほうが目次は見やすいと思いますので、再掲します*2。)
真剣な趣味の話題全般については、『「趣味に生きる」の文化論』、こちらも社会学系統の本ですね、がオススメです。というか、第1号刊行に至る大きなきっかけの1つです!
こちらも目次だけでも面白いので、ぜひナカニシヤ出版さんの商品紹介ページ (再掲) で眺めて頂けたらなと言う気持ちがあります。
アイドルの話題や部活動の話題、ランニングや CATV の話題など、趣味に全力で打ち込む様々な例がアラカルト的に集まっています。
もう少しエンタメとして読める本としては、『浪費図鑑』は読みやすく楽しく読める本として、オススメです。文字通り「浪費」の話題にやや偏ってはいますが、お金をかなり使う趣味のあり方について自虐的な味方をしている点で興味を惹かれる内容です。価格帯としても入手しやすめですね。
その他にも、関係するかも?な本を挙げてみます。
地形と生活との繋がりに着目すれば、写真入りで読みやすい本である『ハビタ・ランドスケープ』があります。
地理に着目する街歩きとしては、自分はまだあまり多くは読めていないのですが、漫画で『東京シャッターガール』が関連するものと予想されます。
どこにでもある場所、という話題であれば、再び専門書になりますが、『フラットカルチャー』は、『無印都市の社会学』と近い視点から楽しめるものと思います。
聖地巡礼の関係では、手に取りやすい新書ではその名も『聖地巡礼―世界遺産からアニメの舞台まで』があり、専門的ではあるものの題材にエンターテインメントの話題が豊富で面白い『アニメ聖地巡礼の観光社会学』はきっと参考になるのではないかと思います。
他にも色々あるかとは存じますが、私センケイが実際に (漫画の場合は一部巻、活字の場合は全文を) 読んでおり、かつ参考になりそうと思っているものでは、ざっとこのあたりかな、と思います。
他にも、柔軟な対応ができますので、カジュアルに話しかけて頂けたら幸いです*3。
基本的には、面白いものを作りたい!とか、この趣味の面白さ (あるいはときには大変さ) を共有したい!という気持ちで動いているので、モチベーションの近いご相談であれば、掲載できる可能性高いです。
それでは、なにとぞよろしくお願いいたします!
*1:杉山さんの論文では、以下のように定義されています。「シリアスレジャーの定義は、「アマチュア、趣味人、ボランティアによる活動で、彼・ 彼女らにとって大変重要で面白く、充足をもたらすものであるために、典型的な場合とし て、専門的なスキルや知識、経験の獲得と表現を中心にしたレジャーキャリアを歩み始め るもの」(Stebbins 2015: 5)である。」杉山昂平、2019 年「レジャースタディーズにおけるシリアスレジャー研究の動向 : 日本での導 入に向けて」余暇ツーリズム学会誌、第6号
*2:念の為これアフィではないです笑。出版社さんのページを貼るのが個人的に好きという理由で、2回掲載しました〜。