Transport Fever プレイ日記 大阪マップ #01 乗り換え最小のための全体設計

 

Transport Fever という、

Simutrans 風の鉄道ゲーム。

 

複雑な配線を考えるのは楽しいもので、

是非、現実の都市圏に匹敵するような、

それでいて利便性で現実を上回るような

そんなプレイがしたい。

 

そんなわけで、1年くらい前から

大阪マップの Mod をちょこちょこと

進めてきています。

 

後で説明するようにこのマップ、

街の数や配置のバランスがとてもよく、

複雑な配線を考えるにはうってつけです。

 

だんだんと理想の敷設ができてきたため、

少しずつレポートをしていきたいと

思います。

 

残念ながら私がやっているマップそのものは、

今は削除されているようです。

 

ですが、他にも大阪マップがいくつかあり、

近いプレイをすることが可能と思います。

 

なお、Transport Fever についての良さは

以前の記事にまとめていますので

こちらをご覧ください。

 

乗り換えがあるが、

不便すぎると乗り換えが起きないという

リアリスティックな設定に

なかなかやりがいを感じる点が

個人的にツボなのでした。

 

大阪マップの良さについて

 

いずれにしても大阪近郊、なかなか良いです。

 

これにはいくつかの理由があります。

 

①中でも特に広大なマップを選ぶと、

 長い長い線を作ることができる。

 

ランダム生成のマップはちょっと

隠れメニューを選ばない限り

超巨大なマップは作られず、

ちょっとこじんまりしてしまいます。

 

各停と特急が並走するということを

楽しみたいというとき、

特急を作る意義がないほど狭いのでは、

もの寂しいと言わざるをえません。

 

さて、ではランダム生成において、

その隠しメニューでマップを大きくすれば

はたしてどうでしょうか?

 

・・・ここにはもう1つ問題があります。

そうした場合、

その広さのわりに街が疎になりがちで、

拠点と拠点の間に駅を沢山作る意味が

あまりなくなってしまいます。

 

JR 京都線京浜東北線みたく、

副都心との間にびっしりと駅を置いてこそ

その路線に味が出るというものです。

そのためにはもっと街が必要です。

 

ここにおいて、こうした大阪マップは、

 

②都市が密に大量におかれている。

 

という点を兼ね備えています。

 

このため、大きな都市の間にも

大中小様々な都市が他にあり、

横断鉄道のあいまにも

かなりの駅を置く意義が出ます。

 

実在の大阪近郊に見られるような

約 100km に及ぶ方向別複々線こそ

実現が難しいにしても、

20駅以上に渡る複々線を実現する意義が

これにてようやく出てきます。

 

これには以下のことも味方します。

 

③山や海が充実し、変化に富んでいる。

 

山や海が多ければ、それだけで

線路の引く楽しみ方、

アフォーダンスとでも言うべきものが

大きく拡張されます。

 

それだけでメリットとして大きいですが、

注目したい点は、山や海がマップの多くを占めることで、

そのぶん都市が散らばりにくくなり、

限られた箇所に集中するという点です。

 

広い地形に、多くの都市を横切るような

長大な線が敷ける一方で、

マップ全体が発展しすぎて PC が壊れるという

デメリットは回避することができる。

 

この両立こそ、

こうしたマップのメリットでしょう。

 

近いことですが、

ランダムなマップではうまくいきにくいこととして

 

④都心と郊外とが明確に分かれやすい。

 

という良さも現れてきます。

 

さてここまで大阪マップを選んだ理由を

たんたんと書いてきました。

 

しかしこれは大阪マップに限らず、

他の大都市マップに関しても

 言えることかもしれませんね。

 

都市というのは一般に

湾の最奥部にできがちですから、

山、少なくとも海に恵まれやすいです。

 

それに実在の都市の配置であれば、

あまりまばらにならず、

都市の集中の仕方にメリハリが

でてくるでしょう。

 

しいて言えば、

空想のどこかの街というイメージが

薄れてしまう点だけ、

玉にきずですね笑。

 

 

時代を進めつつ路線を設計する

 

さて、では実際に街と配線の様子を

見ていきましょう。

 

1850 年や 1900 年からスタートすることも

可能ですが、ここでは

1950 年からスタートします。

 

Mod の1つである高架駅デビューが

1990 年であるため、

高架駅がまだ1つも出来る前に

街が発展しすぎるのは避けたいからです。

 

さて、フタを開けてみると、

最初はこんな感じになっています。

 

さっそく単線ながらも

いくつか線を敷いてみたところです。

 

下の写真は、

早速乗り換え駅にしていっている京橋です。

f:id:a16777216:20190806152818p:plain

出典:Transport Fever

 

この時点ではまだ、街と街はくっついておらず

野っぱらが多く広がっています。が、

街が発展して範囲を広げ合ったとき、

だんだん間が埋まってくることが

ぱっと見の街の多さから期待できます。

 

さて、少し線を敷いてみたところで、

全体の設計を考えます。

 

乗り換えの大変さを想像すると、

あらゆる場所と場所の間の移動は

なるべく0回か1回の電車の乗り換えで

済ませたいと思うものです。

 

そこであらゆる線と線の乗り換えが

1回で済むように設計してみよう。

そんな最適化を考えてみようというわけです。

 

考えてみればこれがなかなか楽しいのですね。

 

交通計画の本なんかを読んでみると、

やはり乗り換え回数を小さくすることは

意義深いようで、

いくつかの見本となる配線の仕方が

すでにいくつも提案されています。

 

東京の地下鉄が従うターナー型なんかは

お互いに1回の乗り換えで済むように

設計されているわけです。

 

www.1101.com

 

大阪も、ここではペターゼン型がモデルと

言われていますが、

実際大阪の地下鉄はそのペターゼン型よりも

もっと1回の乗り換えで済むように

上手く設計されているのを感じます。

 

下で示す「カウエル原型」のアイデア

取り入れていると言えるでしょうか?

 

さて、このように、

1回の乗り換えで済むということについて

歴史的な議論があるのが、

まずこれを考える面白さの1つです。

 

あるいは数学的な、例えば

グラフ理論的な面白さがあるとも

言えるでしょうか。

 

ここでは、以前のプレイと同様、

カウエル原型に概ね従って

特に主役となる配置を決めてみます。

f:id:a16777216:20190806153010p:plain

作図は筆者。

太く濃い線が特急、

細く淡い線が各駅停車で、

並走区間は全て方向別複々線です。

 

どの線においても、

都心を通り抜けるまでに

他の殆ど全ての線と交わるよう

注意深く設計します。

 

方向別複々線のメリットも一応添えますと、

たとえ緩急の間の乗り換えが必要になっても、

階段を昇降せずに同じホームで乗り換えられる、

この大きなメリットが挙げられます。

 

乗り換え数だけでなく、

乗り換えの精神的、肉体的負担も、

なるべく減らそうというわけです。

 

そしてなにしろカッコいいです。

 

丁度 1:30:00 のあたりから始まる方向別複々線

少しずつ賑わっていく風景、

通過と追い越しの快感とは

いくらでも楽しめてしまいますね。

www.youtube.com

 

新快速のところにはかなわないにしても、

東武や京阪で小旅行をするときもまた、

なかなか熱いものを感じますね。

 

Wikipedia に詳しく整理されているため、

是非、お気に入りの方向別複々線

見つけてみましょう。

 

ja.wikipedia.org

 

 

複々線化する予定以外の準主役級も、

少しずつ開発を進めていきます。

 

これは百舌鳥近辺で、

1968 年時点での、

徐々に線路を伸ばしていっている様子。

f:id:a16777216:20190806153202p:plain

出典:Transport Fever

 

こうした線も一部は複々線にして、

カッコイイ配線を目指します。

 

画面中央やや下では、

2種類の線の各駅停車が交換されます。

秋葉原みたいな感じですかね。

 

 

複々線を一気にデビュー

 

複々線化するぞ

 

さて、時代は少し進んで 1980 年代。

長く使い続けられる特急向け車両のデビューを

待ち遠しく待っています。

 

みだりに配線を変えると一時的に

乗客がうまく乗ってくれなくなるため、

そのときまでは単線のピストン運動で

もう少しだけガマンです。

f:id:a16777216:20190806152906p:plain

出典:Transport Fever

 

さて1982年、

機は熟します。

 

この Class 111 LHA という機関車、

最高速 160km の速さを持ち、

この時代最速ではないものの

パワーやコストに安定感があるんですね。

 

f:id:a16777216:20190819013928p:plain

出典:Transport Fever

この車両登場に合わせ、

一気に複々線化をします。

 

以下は、途中の時代を少しお見せした、

割と複数の線が交わる百舌鳥駅

オレンジの線上で天王寺の少し南です。

 

せっかくなので、ちょっとモダンな姿の駅を

導入してみました。

ついでに駅の反対側は歩道を整備します。

f:id:a16777216:20190819014802p:plain

出典:Transport Fever

この百舌鳥は発展が速く、

6年後くらいにはもう駅が見えないほどに

ビルが生い茂っています。

f:id:a16777216:20190819015212p:plain

出典:Transport Fever

 

 

最大の駅の京橋は

このようになりました。

 

オレンジの線と、

北東から来る焦げ茶色の線、

さらに少し離れた黄色の線が

それぞれ複々線になっています。

都心を縫うように行く高架線も

絶賛建設していっています。

f:id:a16777216:20190819015532p:plain

出典:Transport Fever

 

複々線化の効果

 

まずは街の発展への効果です。

 

京橋はさすがこのマップでは府下最大で、

複々線化による大幅な増便を経て、

発展が進みました。

北口から駅越しに見るとわりと都市感がでます。

 

隣の街である鶴橋とくっついて

コナーベーションを成してきているので

遠景にもビルが見えています。

f:id:a16777216:20190819223806p:plain

出典:Transport Fever

 

中心部から北の方も見てみましょう。

西にオレンジの、東に青の駅があり

便が良い寝屋川。

ここも発展の速さを増してきています。

f:id:a16777216:20190819222759p:plain

出典:Transport Fever

 

見返してみると、

駅前からスッ…と伸びる

美しい駅前通りのある街を

作りそこなっていましたね。

 

しいて言えば、青と茶色の乗り換え、

この長田駅でしょうか。

 

f:id:a16777216:20190819223048p:plain

出典:Transport Fever

まだちょっと、

駅から離れると急に落ち着いた感じになるので

大都市感!を出すのはもうちょっと先の

お楽しみですね。

 

まあ、これはこれである種のリアリティがあるので

それもそれでオツな楽しみができますが。

 

 

続いて運行状況です。

 

なにしろ快速各停が並走するので、

快速が飛ばすような駅を

沢山設定できます。

 

オレンジの線にいたっては、

快速各停の並走区間+快速区間

実に 40 駅もの範囲に及んで

運行がなされます。

 

ゲーム内の路線としてはなかなかの

長距離輸送っぷりではないでしょうか。

 

さすが、大きさ、街の密度とも

かなりの充実を見せる大阪マップです。

 

なお電車の頻度については、

まだそれぞれ8分~10分に1本ほどのため

駅に多くの列車がたまたま集まっていることは

まれです。

 

そういうベストショットを狙うのは

今はまだ難しいですね。

 

が、このように塚口では、

3車両が集まっている様子を

見かけることができました。

(中心街が北口なのでこちら側はまだ寂しいですね)

f:id:a16777216:20190819015914p:plain

出典:Transport Fever

 

 

 

 

さいごに

 

さて、次回はこの複々線ほかにも

マップ中の各種の路線を見ていきましょう。

 

百舌鳥を始め、

複数種類の線へと乗り換えられる駅も

結果的に充実してきました。

 

はじめから完璧な計画はなかなかできない、

作っているうちに改善されていくのだ、

といったところでしょうか。

やりながら新しい線を考えていくのは、

やはり鉄道ゲームの醍醐味と言えるでしょう。

 

ポリシーとしても一貫して、

あらゆる路線間がたかだか1回ほどの

乗り換えで済むか、

せめてホーム内乗り換えを含む

2回ほどの乗り換えで済むようにしたい。

 

これを追求すべく、

あれこれと考えを巡らせて

いきたいと思います。

 

 

最後に、複々線ならではの魅力、

各駅停車を追い抜くさまをみて

お別れにしましょう。

 

f:id:a16777216:20190819225948p:plain

出典:Transport Fever

 

京橋から寝屋川に向かっている区間の途中で、

通勤列車の速達としては花形ともいえる

都心近場での連続通過ですね。

 

このあとのさらなる増便、

そして街の発展していくさまが

ますます楽しみです。

 

(PC がいつまで持つかの問題は

 別途ありますが・・・。)

 

 

それでは、ありがとうございました。

また、現実や架空の大阪で

お会いしましょう。

 

 

参考文献

都市交通計画

都市交通計画

 

出版社サイト 

 私が持っている上の Amazon 紹介は

 第二版のものですが、

 この技術堂出版さんのリンクでは

 第三版のものを貼ります。

 

 

www.1101.com

※ 最終アクセス 2019/08/19

 

 

www.youtube.com

※ 最終アクセス 2019/08/19