こんにちは。センケイです。
診断を受けたことがあるわけではないし、先天的なものが由来とも限らないので、由来の明記はしません。
しかし自分は容態としては現に、かなり注意力散漫であったり、かと思えばかなり集中癖があったりします。それで自分の手際の悪さを感じたことも少なくありません。
ですがそんな自分でも、色々なかたの助けがあった末のことではありますが、今では自分の仕事ぶりに自信を持つことが出来ています。
では、どうしてそれなりに仕事やマネジメントが出来るようになってきたのか。
これは自分の工夫を整理することのためにもなるし、あわよくばどなたかにとってお役に立てる知識になるかもしれないと思い、明文化を試みてみます。
多動、散漫、不注意への対策
※ 不注意対策はあんまり書いてなかったのでまた次回書きます。
ちょっと能書きを
見出しで挙げた3つは、互いに少しずつ異なるものであるものではありますが、まずは集中の切れる原因または結果という点で、共通項がある3つですね。
この視点から、集中の切れる原因、結果としての不具合と、そして見落としについて考えたいと思います。
週次でやっている勉強会にて参加者さんとも話した話ですが、まず、ワーキングメモリーという概念が役に立つと思います。
自分の理解をまとめると、以下です。
- だいだい誰でも7つ前後のスロットがある。
- このスロットは、短期記憶または注意に使える。
ということは、一度に暫定的に覚えておける事柄は多くても約7つで、何かに気を張っているとその分7つよりも減る、ということですね。
逆に覚えておきたいことが7つあると、何かにアンテナを張り続けることはできないという理屈になります。
それから…
7つ以下に収まれば必ずしも万事 OK とも限りません。
これは仮説ですが、頭の半分くらいしか使わないで済む退屈な会議やエクセル作業、これこそがまずは集中力低下の原因!そして Twitter を見てしまう!全然関係ないことをしてしまう!2倍速で会議に参加したい!のです!多分。
…したがって、まずは集中力低下の原因に手を打つため、7つのワーキングメモリーのうち3つか4つしか使わない会議ないし作業の間、どのように集中を切らさないかを考えてみましょう。
物理会議にて
頭に「余っている」ところを作らないための戦略として、基本的には、刺激の供給を考えます。音でも味でもコンテンツでも、退屈を紛らわせる刺激を与えることにしてみます。
なお、この工夫に罪悪感を感じる必要はまったくないと考えられます。なぜなら、集中するための方法なのですから。
まずは物理出社を前提として、当たり障りなく目立たずに出来る方法を考えてみます。
特に、最も制約の厳しいと思われる、物理会議の場合を考えましょう。ここで使える方法は、他の殆どの場合にも共通して使えるはずです。
大きな動きを伴わず静的に出来るのは、例えばツボの刺激。左手で右手を。右手で左手を。首のあたりを。あるいはイスの足と足の間の棒で足の裏を。正常でマナーを守った姿勢の中でも出来る快感を供給します。
あるいは温度の刺激。カーディガンを着た直後のぬくもりを。あるいは脱いだ直後の涼しさを。ときに最適な温度以上に、変化し続けることこそを快適と感じる私やあなたにはイチオシの方法になります。1時間の会議で 1.5 往復ほどの着脱は目立たずに行えるかもしれません。
少し大胆ではあるが見た目には現れにくいことをするなら、カカト、あるいはさらに足の裏全体を浮かべて、腹筋を密かに鍛えるのも悪くないかもしれません。
頭の中のように外から見えない場所はもちろん自由です。入眠時に行なうような、全神経を動員しない簡単な作業を用意しておきます。
円周率を思い出すとか。ポケモンを思い出すとか。特定の条件を満たす数…例えば X の三乗と Y の三乗の和が Z になるような3つの整数の組み合わせを見つけるとか。
もっと自分自身の課題のほうがより適切かもしれません。自分みたくブログを書く人間にとっては、次に書くブログの構想を練るなんかが丁度良いサブタスクになりそうです。
もう少し真面目にやるなら、次にやるタスクのフォルダ構造、Excel やスプレッドシートのシート構造やカラム設計など、設計をうすぼんやりと考えることはのちのちの時短に繋がると思われます。
発話者の声のトーンや目配せ、身振り手振りなどに着目し、どのように説得性を高めているのか盗めることを探すのも有用かつ退屈しのぎになるかもしれません。
PC を持ち込める会議なら無敵です。あたかも仕事をやっていそうに見えるワードやエクセルにブログを実際に書くとかも有り得るでしょう。
大事なのは、頭の半分を会議に残すようにコントロールすること。耳で聴いたことは上の空であっても数秒以内であれば再生できがちですが、再生できなくなるほど長い時間放置してしまわないうちに、意識の側に持ってくることが肝心ですね。
あるいは、文字起こしをするツールで音を文字に変換するという方法も良いかもしれません。
会議以外のときにて
物理出社でも、会議以外の時間となれば大分自由が増えますね。
手にイボイボボールを。足に青竹を。口には飲み物、飴で味を。そして組織がそれを許すなら、耳には音楽を。常にメインのタスクとは別の形で五感を刺激します。
また組織が許す限りに置いて中座し、洗面所、そして散歩へ。散歩の時間は設計作業や「設計の設計 (どうすればよりよい設計ができるか?)」に充てれば単位時間あたりの生産性を落とさずにすみます。
リモートワークともなればさらに無数の選択肢がありますが、代表的なものとして最近個人的に良いなと思っているものを2つだけ挙げましょう。掃除と、グーグルマップのストリートビュー散歩です。
このような仕方で、7つのメモリーのうち3つ程度が余って退屈することを防ぎます。
退屈を防げば、集中力低下の結果の側にある、人から見て多動に見られる状態も防げるかもしれません。
多動については、もう少し普段からの身体的な準備が効く可能性もあるでしょう。背中や腰の疲れのために姿勢を頻繁に変える必要があるのであれば、例えば体幹トレーニングが効くかもしれません。(自分の場合、家で歯磨きする時間にこれまた退屈を感じているので、片足つま先立ちをして体幹トレーニングに充てています。このように、楽しい時間を退屈にしてでもトレーニングするのではなく、逆に退屈な時間を多少退屈じゃなくする形で体幹トレーニングを取り入れられると思うのですが、いかがでしょう?)
もちろん、メモリーを使い余さないまでも…、作業自体が退屈で散漫になる場合も、とてもよくあることだと思います。
これについては、3章目である退屈対策のところで改めて書きたいと思います。
ここでは外付けの報酬で難を逃れる戦略を主に考えましたが、もう少し、内側から湧いてくる欲求に寄せてみたいですね。
そこで、人類の歴史やコミュニティデザインなど…より遠大なものと結びつける技法なんかもそのときには挙げていこうと思います。お楽しみに!
まとめ
…ぱっと見、怠慢に見えるようなことを主に書いてしまいましたが、2章目、3章目においては雇用主側からも「なるほど」と思って貰えることが続く予定ですので…そちらも楽しみにお待ち下さい。
具体的には、自分のモチベーションをよく理解し、どのように自分の作業を会社に位置づければやる気が出るのか。そんなことも書きたいですね。これを書いているまさに今日、その辺りの話で割といいフィードバックが貰えたところでした。
基本的には以上では刺激の供給を考えました。
頭に考える余地を多めに残しているからこそ気が散るのだ、という仮説のもと、快適な刺激や、ながらで出来る楽しみにおいて対策することを考えてきたのがここまでのテキストです。
個人的にイチオシなのは中座です。
こないだとあるイベントでも紹介した本『メタ認知で〈学ぶ力〉を高める』では、「睡眠中にも学習は進む」「頭を休めている間に解決策がひらめく」という節があります。タスクに行き詰まったときには、気が散ってきたのをむしろ道しるべだと思って、一度タスクから離れることでかえって解決される可能性がある、このように示唆されます。
また、自分が会社から口をすっぱくしてよく言われるのは、「設計が全て」ということです。タスクに対して実際に手を動かせる状態、Excel やテキストエディッタ、イラストレーター、その他もろもろの編集ツールに向き合う前に、あるいは向き合って一段落した時点で一度離れ、全体像を考えることは、作業間の重複や、実は不要な作業の洗い出しに役立つかもしれません。そうすると単位時間あたりの生産性が高まります。僕が会社から言われているのは多分こういうことです。それによく設計されていれば、エディットの結果残るものの再利用性が高まりますものね。
そして、その設計作業を中座中に頭で整理するのも、1つの戦略になると思われます。
散漫に対して、対策の仕方は、自分が思いつく限りでは以上のように色々あります。
それに単に散漫を抑えるだけではなく、散漫を味方につけ、気が散ったことをサインとして頭の「凝り」のようなものをほぐすのも悪くないでしょう。散漫になる現象も何かのサイン。そして散漫な性格は良し悪しのつくものではなく、得意なものが他の人と異なる、そういうことだと私は思うのです。
あくまで自分の場合は…であり、かつ大胆な仮説を用いた対策集でしたが、何かしら重なる部分、あるいはヒントになる部分がありましたら幸いです。
もちろんこれは一例ですから、「ワーキングメモリー」というワードの登場する書籍などを実際に手にとって頂いて、実際にお持ちになっているタスクと、いつ集中力が落ちるのか?ということについての振り返りをして頂けたら、きっとよりよい方法が見つかるのではないかと想像しております。
それではここまでありがとうございました!
また、作業のさなかかどこかで、お会いしましょう。