こんにちは。センケイです。
私たち「ヴァーチャル神保町勉強会」編集部は、2022 年秋から、〈真剣な遊び〉をテーマにした文集を半年ごとに出しています。
遊びや趣味だからといって、決して手は抜きたくない。大変なときは本当に大変、それでも納得する結果や質がでるまでやりたい。
そんな真剣な遊びを巡って、エッセイや詩、論考や体験記などを自由に書いていただく、そんなご寄稿の募集を毎回行なっています。
そういうわけで、2023 年 11 月の文学フリマで刊行予定の次号、第3号の寄稿募集をしたいと思います!
今回のサブテーマは音楽、あるいは音、声です。
なお、前回第2号のテーマは「都市と場所」でした。
このテーマは、ライブハウスといった遊びの根幹を支える施設や、街歩きや聖地巡礼といった外出の遊びとの親和性が高いためか、本のボリューム、そして反響とも第1号を上回ることができました。
#文学フリマ東京 お-19 にて 5 月 21 日、「真剣な遊び」をテーマにした文集を頒布します!
— センケイ るるぶ予約と地震保険と毛布洗い (@a33554432) May 13, 2023
趣味のはじめかたやめかた、人を繋ぐ趣味や場所、そして趣味を通じて変化してきた場所のルポ。
8つの原稿(エッセイ、論考、詩)と総評を掲載しております!
ツリーに続きますhttps://t.co/OJwBrUEGwz pic.twitter.com/ZXR1dPfUEE
ところで、先に上げたライブハウスや、他にも声優音楽やアイドルなど、既に今までの第1、第2号において音楽や声をめぐる記事がそれなりに集まっています。
音楽は、聴くであれ奏でるであれ、真剣に遊ぶことができる重要なアクティビティーの1つだと言えるでしょう*1。聴くことに関しては、非常に参加人口の多い趣味とも言えると思います。
今回は満を持してこれをサブテーマとして盛り込みたいと思います!
なお、おまけで示すように、「ミュージッキング」と言われる形で、「聴く」ことと「奏でる」ことの境界もゆらぎ、複雑になってきています。これも今、文章で刻んで踏み込む意義が高まってきていることでしょう。
寄稿募集1: 記事
真剣な遊び、または今回のサブテーマである「音楽・音・声」 (もちろんその両方にかかる内容でも構いません) にかかる、本誌紙面の記事のご寄稿を募集します。
詩、エッセイ、体験記、論考、小説など、テキスト主体の内容であれば形式は問いません。
テーマ① 真剣な遊び/趣味
私たちの文集「ジリィスタイル」は、〈真剣な遊び〉をテーマにした雑誌です。
ですので、今回も引き続き、真剣に遊びを追いかけることや、趣味を徹底してやっていくこと、これについて募集します!
趣味を通じての想いや楽しさ。その他いろいろな感慨。
特定の趣味やコンテンツの魅力の紹介、あるいは徹底して追求した先に残るもの…。
などなど。趣味への熱い想いをお待ちしております。
「真剣な遊び」に込められた詳しい意味については、前回の記事であるこちらの「特集①」の章をご覧ください。
大雑把に言えば、遊びや趣味のつもりだったのに、途中でやめたくないとか、もっともっと追求したいしたいとか、まるで仕事のように、あるいはそれ以上に徹底して、気がつけばライフワークとして行なっていた遊び。そうした遊びや趣味をテーマにしています。
テーマ② 音楽/音/声
個人的には、音楽は趣味や遊びの中でも、王様のような存在ではないかと思うのです。
何しろ、趣味として大事な要素をたくさん持っている。
個人的に趣味として大事なポイントは、「今よりももっと上手くできる (余地がある)」、「頑張ればその分だけ上手くできる」、「上手くできるかはさておき楽しい」などがあると思いますが。
音楽はこれらをいずれも兼ね備えているのではないかなと思って。
なんというか音楽は、特に楽器は、上手さの天井がないんですよね。「先月と比べて上手くなった」「去年と比べて上手くなった」という感覚をずっと留まることなく感じることができて。
でも「上手くなった」を感じ続けていたら、どこかで天井に当たってしまい、もう上手くなれなくなる、すなわり飽きが来る瞬間って、全然あり得ると思うんですが。
でも、音楽はどれほど上手くなっても、もっともっと上手くなれる。同じことをもっといい音でできる。同じことをもっと速い BPM でできる。もっと情感を込められる。などなど。
そして、音と触れ合うこと自体が楽しいから、練習自体楽しく、「上手くなろう」ってあんまり意識しなくても良いという側面もある…。
これらの性質って、でも「聴く」場合にも近いことが成り立つとも思っています。聴けば聴くほど音の解像度が高まって、もっと聴くことが楽しくなる…。そういうところがあると思うのです。
音楽についてバーッと思いの丈を書きましたが、「音」というものも大変面白いですよね。
ゲームや映画、アニメ、あるいは街頭の広告。それらの中には音楽も大変多く登場しますが、サウンドエフェクトもまた重要な働きをしていることは論をまたないでしょう。
あるいはそうした意図的な音を離れて、風の音や波の音、葉のこすれ合う音。人工物でもビルや工場などの雑音が独特な感情をもたらしてくることも少なくないでしょう。
声についても同様に、声優というプロとして声を演じる仕事があるわけで、その音の意味は語り尽くすのが難しいほど議論の余地があることでしょう。
そうした意図的な音、非意図的な音、そうした音や声に関する熱い想い、お待ちしています…!
考えうる記事の題材としては (こんな感じのものに限らず、自由な連想で応募頂けたら幸いですが)、
- 好きな曲によって人生を救われた話
- 音楽が大変だった話 (2023/06/11 追記)
- ライブの曲順/演出についての考察
- 好きな曲の曲調や歌詞の分析レビュー
- なぜかクリスマスっぽく聴こえる曲の特徴
- 演奏家や作曲家、ボカロ P を語る!
- ミュージカルのオススメ鑑賞法
- 同人音楽の特定のアーティストの歴史 (既存の動画や音楽文化とのつながりが見えてくるかも)
- 声優のイメージがアニメに与える効果
- 劇伴/SE/ゲーム音楽が作品にもたらす意味
- バンドやアイドル等、音楽をテーマにしたコンテンツの考察 (2023/06/10 追記)
- なぜこの人物のテーマ曲がこの曲なのか?
- チャイムや信号など、都市の音響の働き
- 好きな都市の環境音。雑踏や道路の音など
…などなど。
募集要項
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- 第一稿締め切り: 2023 年 9 月 18 日 (月祝) 23:59
- 全体の骨格と、(必要なら) オチがあること
- 形式とボリューム
- 詩/エッセイ/体験記/論考/小説の場合: 420 〜 21,000 文字
- 俳句/短歌/写真の場合: 応相談
- テーマ
- ①「真剣な遊び」or
- ②「音楽・音・声」or
- その他 (応相談)
- 敬体か常体かは問いません。
- 文集名『ジリィスタイル Vol.3』(+ 副題)
- 文学フリマ東京 37 (2023/11/11) に初出展予定
- 参加方法: 私の Twitter 宛に、リプライ、または DM などお送り頂けると幸いです!
- (センケイの他の連絡先ご存知であれば、どれでも大丈夫です。)
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さらに詳しい書式については脚注にて述べます*2。
寄稿募集2: 小コラム
今回、記事とは別に、1名あたり半ページ〜1ページほどの小記事を集めた小コラム集を (幾つかのテーマで) 組む予定です。
募るコラムとしては
- 音楽関係
- ライブハウス体験記
- 楽器のある生活
- MV/PV ミニレビュー
- 真剣な遊び関係
- 真剣な遊びをしていると感じる瞬間
文字数以外は概ね記事と同様です。
- 第一稿締め切り: 2023 年 9 月 18 日 (月祝) 23:59
- 形式とボリューム
- 140 〜 650 文字
- 写真とセットでのご投稿も歓迎します
おまけ: 関連する話題について
音楽が真剣に行なわれる趣味の一種であることは論をまたないと思われますので、基本的にはあまり詳しい説明はなくても良いかもしれません。
が、音楽とは何かを考える上で、少し関連しそうな話を載せておこうかなと思います。
音楽を奏でることや聴くこと、音楽に合わせたダンスなどを鑑賞することが、まずは一般的な〈真剣な趣味〉としての音楽といえるでしょう。
音楽に関して何か文を書く場合、まずはこれが検討の余地に入ります。
いっぽう、音楽の楽しみ方には一定の広がりもあります。
もう 10 年くらい前の本ではありますが、『ソーシャル化する音楽』という本では、「音楽遊び」という言葉を用いていくつかの話をしています。
例えばその遊びの一種として、音楽同士や音楽と映像を組み合わせる技術の話が挙げられています。
典型的には、ニコニコ動画などで流行していた、全く関係のない別々の音楽同士、あるいは音楽と映像とを組み合わせ、ときにコミカルに、ときに完成度を追求して感動を誘う──その両方を同時に狙う投稿も少なくなかったでしょう──動画群がありますね。
今でもその系譜を感じられる人気動画がありますし (近年の流行だと、「強風オールバック」という単独でも既にネタとして完成している動画、そしてその派生作品群、例えば「ハトが強すぎる強風オールバック」などが挙げられるでしょう。ここには「田舎でよく聞く鳥の鳴き声をEDMにしました」の系譜も感じられます)、TikTok などのより新しいメディアにおいても音楽と映像の組み合わせが主流の投稿となっていることでしょう。
同書では、ネットワークを通じて音楽を同時に楽しむ楽しみ方についても言及があります。本では「DOMMUNE」のライブおよびツイッター上での投稿という連携の仕方が挙げられています。
10 年経った今ではライブと同時にライブの映像を配信し、配信を見るユーザーはハッシュタグ付きで感想を実況するという動きも一般的になってきています。この現在の形のほうが、当時よりもさらに、同時進行的に実況中継されるという交流の仕方が一般的になったと言えるでしょう。
長くなったのでもうあまり語らないようにしようと思いますが、ロックフェスティバルなど、音楽イベントも、コミュニティ、あるいは多角的に音楽を楽しむ様式として、研究されているテーマですね。
露店でお昼ごはんやお酒を買い求めながら音を楽しむというのも、音楽をめぐる代表的な形式の1つかもしれません。
長くなりましたが、それでは、秋の文学フリマ東京に向けて、楽しんでいきましょう!
それではまた、文章の上で、または流通センターでお会いしましょう。
*1:『社会にとって趣味とは何か』では、音楽鑑賞は、他の趣味と比較しても突出して参加人口が多く、普遍的な "超趣味" であるとして紹介しています。
*2:以下が推奨している詳しい書式になります。
- 段落始まりは、全角1字分スペースをあける
- 段落間の文字幅はデフォルトの設定
- 左右揃え
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組版時は以下のような仕上がりになります。
- 横書き B5 左綴じ
- マージン上下左右とも 1.8 cm
- フォントサイズ 9 pt